先生は何が言いたいのだろう?


「呪い」を解けば、それで終わり……そうならないという可能性があると言いたげな口振りだ。


「で、でも、『呪い』を解いて、『カラダ探し』が終わるだけって可能性もあるわけですよね?」


八代先生の仮説が飽くまで可能性なら、そうじゃないという可能性もあるはず。


「その可能性もあるね。僕が言っているのは、悪い方の可能性さ。そうだな……例えばキミ達の両親のどちらかが、『カラダ探し』を終わらせて、さらに『カラダ探し』を頼んだ人だったとしようか。その両親が、もしもこの学校で出会って、結婚したとしたら……そして、産まれた子供がキミ達だとしたら?」


八代先生の言葉に、私と翔太は考えさせられた。


「呪い」を解いて、何も起こらなければいいけれど、両親が出会わない世界に戻ったとしたら……誰かが産まれない事になるかもしれない。


不安になるような言葉が、八代先生の口から次々と飛び出し、私は付いて行くのがやっとだった。