「えっと……分かりやすく言うと、『もしも』の世界ですよね?私達がいる世界とは、並行して進む別世界」


私の言葉に小さくうなずく八代先生。


「ねぇ高広、何言ってるか分かる?」


「……分かんねぇ。なんだ?パなんとかって」


留美子と高広には、後で説明するとして、私と翔太でなんとか八代先生の話を理解するしかない。


「簡単に言うとそうだね。もしもキミ達が『カラダ探し』を頼まれなかったら……もしもキミ達がこの学校に入学しなかったら……その『もしも』の世界は存在していて、別の世界ではキミ達は『カラダ探し』に怯える事なく、学校生活を満喫しているのかもしれない」


パラレルワールドが「呪い」と何の関係があるのだろう。


留美子と高広を置き去りにして、先生の話は進む。


「うーん……それと『呪い』は関係があるんですか?俺達がいるのはこの世界で、他の世界じゃないんですよ?」


「だから、仮説だといっただろう?もしも『呪い』が解けたとしよう。その時、圧縮されていた時間はどうなるんだろうね?僕が一日で5年分の年を取ったように、他にもそんな人はいるはずだ」