「そんな方法があったら、僕が知りたいよ。それに……『呪い』を解くべきなのかどうか、僕は迷ってるんだ」


デスクにひじを突いて、顔の前で手を組み、八代先生が答える。


どういう意味なのだろう。


「呪い」を解く事を迷っているなんて。


八代先生が何を考えているのか、この時点では、私はまだ分からなかった。


「なぜ『呪い』を解く事を迷う必要があるんですか?その方法があるなら、俺なら迷わずやりますよ!」


八代先生に歩み寄り、デスクに手を突く翔太。


皆、その想いのはずなのに、八代先生は迷っている。


「……若いね。じゃあひとつ質問をしようか。もしも、『呪い』を解いたとして、その瞬間キミや、キミの大切な人が消えたら……それでも良かったと思えるかい?」


それは、どういう意味なのだろう。


「呪い」を解いた瞬間、私達が消える?


「どういう意味ですか?その言葉の意味が分かりません」


翔太に分からないのなら、留美子と高広はまったく分かってないんだろうな……。