「何これ?ないわ……私、外にいるから。話が終わったら教えてね」


いつものトロい口調はどこに行ったのやら。


さっさと職員室を出て行った結子に、皆唖然としていた。


「し、失礼だな彼女は!僕の顔を見るなり出て行った生徒は初めてだよ!」


私の想像の遥か上を行った結子の態度に、さすがに八代先生も腹が立ったのだろう。


苦笑する事はあっても、ここまで怒った先生は見た事がない。


高広が先生を拉致した時以上の怒り方だ。


「す、すみません……それより話の方なんですが……」


こうなるなんて、翔太も思っていなかったのだろう。


ひたすら頭を下げて、謝っていた。


「まあ良いけどね。キミ達が悪いわけじゃない。それで?『呪い』を解くなんて、ずいぶん大胆な事を考えているんだね」


フンッと、少し不機嫌そうに椅子に座り直す八代先生。


「ええ、まあ……『カラダ探し』を終わらせても、次の『カラダ探し』は止められませんからね。先生なら、何かつかんでるかと思いまして」