翔太の言っている事は、「呪い」を解くという事だろうか?


そんな事が私達に可能なのかは分からないけれど、八代先生なら、それも考えた事があるだろう。


きくとしたら、八代先生しかいなかった。


「ねぇってばぁ、八代先生って誰なのよぉ!」












五限目が始まり、旧校舎に来ていた私達は、今日も八代先生と話をする為に職員室のドアを開けた。


高広に任せると、なんか喧嘩を売っているような感じがするから、今日からは翔太が交渉役。


「八代先生ってぇ、カッコいいのぉ?期待しちゃうぅ」


私の腕をつかんで、キャーキャーとうるさい結子。


だけど、この後の反応は想像できる。


きっと、すごく落胆するだろう。


「失礼します。八代先生に、『カラダ探し』の『呪い』を終わらせるために相談に来ました!」


それだけで、私達が「カラダ探し」をさせられていて、八代先生と話をした事があると分かる言葉。


「うん?キミ達は……いや、きっと毎回同じ事を言ってるだろうな。分かった、話を聞こうか」


そう言い、椅子から立ち上がった人物が八代先生だと分かったのだろう。


結子の顔から笑みが消え、まるで汚物を見るような視線を向けたのだ。