屋上で言ったあの日以来、ずっとそう呼びたかったし、名前で呼んでほしいと思っていたからうれしい。


その後は、特にこれと言った話をする事もなく、雑談をして時間を潰した。


私達と結子が一緒にいると分かったら、袴田はどういった行動に出るだろう?


いや、その結果が「昨日」の結子殺害だったのだから、手ぬるい事はしないはず。


工業棟に、武器になるような物があるという事は、袴田も知っているようだった。


本当なら高広が見張りに付いてくれるのが一番良いんだけど……。


それに、結子は高広に乗り換える気満々なのに、それを見たら袴田がどれほどキレるだろうか。


それとも、結子を殺すくらいだから、未練はないの?


考える事はまだまだあるのに、袴田を気にしなければならない事が、皆を疲れさせていた。


純粋に、カラダを探す事だけに集中したい。


そう思っているはずだった。