「俺も気になるな、生産棟に『赤い人』を呼ばれる事と、旧校舎と、相島がどう関係してるんだ?」


柵にもたれて、私達から少し離れた場所で、伊勢が翔太にたずねた。


自分なりに距離を保っているのだろう。


「偶然かもしれないけどな。美雪が危険を回避する為に入った場所に、カラダがある確率が高いんだ。まあ、確率が高いってだけで、確実にあるってわけじゃないと思うけど」


「それならぁ、相島さんが逃げ込んでぇ、まだ調べてない所にカラダがあるって事じゃぁん。すぐに見つかるねぇ」


確実じゃないって言ったばかりなのに……。


話を聞いているようで聞いていない二見に、少しイラッとした。


初日から昨夜まで、「赤い人」に追いかけられて隠れた部屋を思い出す羽目になってしまった私。


今が……六日目?


思い出すにはかなり日数が経ちすぎている。



「初日は……どこだったかな?事務室の前で殺されたような気もするし、思い出せないよ。それより全部の部屋を調べれば良いんじゃない?もうここまで調べたんだしさ」