「怒り方も優しくてぇ、照れてて可愛いぃ」


「あんた、男なら誰でも良いんじゃないの!?そんな軽い女、誰も好きにならないっての!!」


ふたりの間に挟まれた私は、どうすればいいの?


「しょ、翔太!何とかしてよ!」


「留美子が処女……」


私の言葉も耳に入っていないようで、どうにもならないまま、こんな状況がもうしばらく続いた。







あれから、留美子が処女という呪縛から解き放たれた翔太は落ち着きを取り戻し、突然仕切り始めた。


「いいか、俺達は『カラダ探し』の話をする為にここにいるんだ。留美子が処女だろうと、二見がヤリマンだろうと、どうでもいい話だろ!!」


確かにどうでも良いけど……そこまで力説する必要もないと思うんだけど。


「なんか言い方がムカつくけど……まあいいや。他に話す事なんてあんの?」


処女である事がバレた留美子が、ようやく私の腕を放して翔太に歩み寄る。


「あ、あのだな……美雪と話をしてたんだけど……校内放送で『赤い人』を呼び寄せる場所が、生産棟の確率がかなり高いんだ」


近寄った留美子を、明らかに意識している翔太に、私は思わずクスッと笑ってしまった。