「留美子みたいなぁ、遊んでるように見せてぇ、実は処女には言われたくないですぅ」


そのふたりの会話に、話し合っていた伊勢と翔太が素早く顔をこちらに向けた。


あ、興味がないように見えて、ふたりともそこは男子なんだな……。


伊勢は顔が真っ赤になっているし、翔太なんて必要以上に眼鏡をクイクイ上げている。


明らかに不自然なその行動に、留美子も恥ずかしそうに顔を赤くして男子をにらみ付けた。


「わ、悪かったわね!処女で何が悪いのよ!美雪だってそうでしょ!?ねぇ!?」


今度は、留美子が二見とは反対側の腕をつかんで私を揺する。


なんで伊勢と翔太の前でそんな事を言わなきゃならないの!?


それってそんなに重要な事なの!?


「お、お前ら、そういう話は他の所でやれ!話に集中できねぇだろうが!」


危ないところで伊勢からのストップがかかった。


「留美子が処女……留美子が処女……」


翔太は何やら不気味に呟き続けている。


見た目とのギャップにやられたのかな?


留美子と翔太……悪くないと思うけどなあ。