「私も留美子なんか嫌いだもぉん、別にいいよーだ」


「き、嫌いって何よ!!私だってね、あんたなんか大嫌いだっての!!」


せっかく留美子が謝ったのに、ふたりとも言いたい事を言い始める。


まあ、袴田に殺されるよりはマシだけど、普段は近寄りもしないふたりの口喧嘩に、クラスメイト達もざわつく。


「ま、まあまあ……ふたりとも落ち着いて……」


この場をしずめようと仲裁に入ったけれど……やめておいた方が良かったかもしれない。


「相島さぁん、留美子がいじめるぅ」


私の肩に手を回し、グイッと留美子の方に向きを変えて、私の背後に二見が隠れた。


「美雪!あんたどっちの味方なの!?」


「どっちって……ふたりとも仲良くすれば良いでしょ!仲良くできなくても、喧嘩なんてしないで!」


これで良かったのか悪かったのか……まったく分からないけれど、伊勢も翔太も呆れた様子でふたりを見ていた。


留美子と二見と私、「カラダ探し」が始まるまでは、まったく接点がなかった3人。


不思議な感覚に包まれながら、授業が始まる寸前まで私はふたりに挟まれて、どうすればいいのか分からずオロオロするしかなかった。