時折、ゴンッと床を打つ何かの音が聞こえて来る。
ガラスというガラスを叩き割り、絶対に壊れないであろう机まで、袴田はガンガンと叩いているのだ。
まるで……駄々をこねている小さな子供みたいに。
「ハァ……ハァ……高広の野郎はどこだ……あいつだけはぶっ殺してやる」
ボコボコにされた事を相当恨みに思っているのだろう。
だけど、それは袴田が原因なのに!
夜の校舎はいろんな感情が、増幅されているような気がするから、怒りも悲しみも、普段より強く感じてしまう。
それが朝になり、そのままの感情を持ったまま夜になる。
これを繰り返すと、他人に無限の憎しみを抱いてしまう事になるのかもしれない。
そう……考えていた時。
『「赤い人」が、袴田武司さんの右側に現れました。確認してください』
その校内放送が流れて、私は思わず机から顔を出して、入り口の方を見た。
そこには、廊下の緑の光で浮かび上がる、黒い人影があったのだ。
ガラスというガラスを叩き割り、絶対に壊れないであろう机まで、袴田はガンガンと叩いているのだ。
まるで……駄々をこねている小さな子供みたいに。
「ハァ……ハァ……高広の野郎はどこだ……あいつだけはぶっ殺してやる」
ボコボコにされた事を相当恨みに思っているのだろう。
だけど、それは袴田が原因なのに!
夜の校舎はいろんな感情が、増幅されているような気がするから、怒りも悲しみも、普段より強く感じてしまう。
それが朝になり、そのままの感情を持ったまま夜になる。
これを繰り返すと、他人に無限の憎しみを抱いてしまう事になるのかもしれない。
そう……考えていた時。
『「赤い人」が、袴田武司さんの右側に現れました。確認してください』
その校内放送が流れて、私は思わず机から顔を出して、入り口の方を見た。
そこには、廊下の緑の光で浮かび上がる、黒い人影があったのだ。