「どうした?早く次の部屋に行かないと……」
「シッ!もう……遅いかも……二見の足音が聞こえる」
ネクタイに縛られた右手の人差し指を立てて口に当て、小声で翔太に呟く。
「生産棟の奥の渡り廊下から来たのかよ……ツイてないな」
私の言葉に、困った様子で頭をボリボリとかきむしる。
運が悪いのは私のせいかもしれない……。
「赤い人」といい、死体といい、私のいる所にいつも現れるから。
「後……どこかで二見の足音とは違う物音が聞こえたの……」
それが何の物音かは分からないけれどトイレのある方から聞こえた。
「嘘だろ……高広達か?いや、こんなに早いはずがないよな。とにかく、どこかに隠れよう」
そうは言うものの……この部屋のどこに隠れるというのだろう。
翔太に手を引かれ、隠れた場所は机の陰。
携帯電話を閉じてポケットに入れ、代わりにそこに入れていたナイフを取り出した。
「赤い人」や二見には無意味かもしれないけど……一緒にポケットに入れて、音がすると見つかってしまうかもしれないから。
「シッ!もう……遅いかも……二見の足音が聞こえる」
ネクタイに縛られた右手の人差し指を立てて口に当て、小声で翔太に呟く。
「生産棟の奥の渡り廊下から来たのかよ……ツイてないな」
私の言葉に、困った様子で頭をボリボリとかきむしる。
運が悪いのは私のせいかもしれない……。
「赤い人」といい、死体といい、私のいる所にいつも現れるから。
「後……どこかで二見の足音とは違う物音が聞こえたの……」
それが何の物音かは分からないけれどトイレのある方から聞こえた。
「嘘だろ……高広達か?いや、こんなに早いはずがないよな。とにかく、どこかに隠れよう」
そうは言うものの……この部屋のどこに隠れるというのだろう。
翔太に手を引かれ、隠れた場所は机の陰。
携帯電話を閉じてポケットに入れ、代わりにそこに入れていたナイフを取り出した。
「赤い人」や二見には無意味かもしれないけど……一緒にポケットに入れて、音がすると見つかってしまうかもしれないから。