実習の内容によって、使い分けているのだろう。


その部屋のドアを開けると、床に固定された大きな机……と言うよりテーブル?


それが4つと、部屋の隅に寄せられた、私の身長より高いキャビネットがある。


「この教室もたいした事ないな。すぐ終わらせて、次の部屋に行こう」


翔太の言う通り、きれいに整理整頓された部屋は調べるのにも時間がかからない。


あまり使われていない教室なのか、机の上にはうっすらとほこりが積もっていた。


こういうのを見ると、指でなでてみたくなる。


携帯電話で机を照らしながら、そっと右手で机をなでた時、私は違和感を覚えた。












さっき怪我した右手……まだ血が止まっていない。


そんなに大きな傷じゃないのに……。


「昨日」に戻れば傷は治るから、特に気にしてはいなかったけれど。


床を照らしてみると、私が歩いた所に、点々と血が落ちていたのだ。


これって……まずいよね。


大量に血が流れ出ているわけじゃないけど、なぜか血が止まらない。


それが、私の行き先を示すように床に落ちているのだから。