時間との勝負。
それは、翔太も分かっていた。
「今のうちに南側の教室から調べよう。逃げ場がない所は、早目に潰しておかないとな」
工業棟の北側には、生産棟につながる渡り廊下がある。
いつ「赤い人」が、どこに現れるかも分からないのだから、その選択は正しいと思う。
一番南端の西側の教室……第一実習室と書かれたその教室に、私と翔太は足を踏み入れた。
「工業科の実習室か……あまり調べる所はなさそうだな」
携帯電話の明かりで、室内を照らして見回した翔太が呟く。
木製の大きな机、棚、教卓とホワイトボード、後はキャスターの付いた大きな箱が置かれているだけ。
「早く調べよう。『赤い人』も袴田も、いつ来るか分からないし」
言うより早く、私は教卓に向かって駆け出した。
教室の前から調べるために。
私は教室の前から、翔太は後ろから調べたけれどカラダは見つからず、残すはキャスターの付いた箱だけ。
ふたのない、半畳程度の大きさの入れ物と言った方が良いだろうか?
その中を上からのぞき込むと……中には、文字通り山のように電線クズが入れられていた。
それは、翔太も分かっていた。
「今のうちに南側の教室から調べよう。逃げ場がない所は、早目に潰しておかないとな」
工業棟の北側には、生産棟につながる渡り廊下がある。
いつ「赤い人」が、どこに現れるかも分からないのだから、その選択は正しいと思う。
一番南端の西側の教室……第一実習室と書かれたその教室に、私と翔太は足を踏み入れた。
「工業科の実習室か……あまり調べる所はなさそうだな」
携帯電話の明かりで、室内を照らして見回した翔太が呟く。
木製の大きな机、棚、教卓とホワイトボード、後はキャスターの付いた大きな箱が置かれているだけ。
「早く調べよう。『赤い人』も袴田も、いつ来るか分からないし」
言うより早く、私は教卓に向かって駆け出した。
教室の前から調べるために。
私は教室の前から、翔太は後ろから調べたけれどカラダは見つからず、残すはキャスターの付いた箱だけ。
ふたのない、半畳程度の大きさの入れ物と言った方が良いだろうか?
その中を上からのぞき込むと……中には、文字通り山のように電線クズが入れられていた。