工業棟の二階の一室。


そこで、折り畳み式のナイフのような物を渡される私と留美子。


ブレザーの左右のポケットと胸ポケットにひとつずつ入れる。


「武司が来たら、これで殺せば良いんでしょ?」


強い口調で、物騒な事を言う留美子。


でも、ナイフを渡されたという事は、そういう事なのだろう。


「この部屋には……カラダはねぇな」


武器になるような物を探しながらも、カラダがないかを調べていた伊勢。


これで、二階は一部屋調べ終わった。


ここに残り5つのうち、ひとつでもあれば……と、私は思っていた。












『「赤い人」が、西棟一階に現れました。皆さん気を付けてください』












校内放送が流れたのは、私達が一階と二階に分かれてすぐの事だった。


西棟の一階ならここからは遠いし、調べる時間はいっぱいある。