こんな状況など、お構いなしに開き始める生徒玄関のドア。


私達は、殺された二見の為にもカラダを探すしかないのだ。


「どうする……二見の目を潰しておくか? じゃないと、いずれ動き出すぞ」


翔太の言いたい事は分かる。


でも、別れようとしたとはいえ、彼氏だと思っていた人に殺されてしまった二見に、これ以上ひどい事はしたくなかった。


「私達が、見つからなきゃ良いんだしさ……これ以上傷付けるのはかわいそうだよ……」


私達が置かれている状況で、そんな事を言っている余裕なんてないって事は分かっている。


でも、袴田に良いようにもてあそばれて、あっさりと殺された二見を、かわいそうと思わずにはいられない。


「そう……だな。見つからなければ良いだけだ」


翔太も理解してくれた。


留美子も泣いているくらいだから、私の意見に反対はしないだろう。


「高広!ドアが開いた、中に入るぞ!」


その言葉に、伊勢は攻撃の手を止めて袴田を見下ろす。