二見の事はあまり好きじゃなかったけど、これはあんまりだ。


袴田が何を考えているのか分からない。


「う、嘘でしょ!? なんで結子が……武司! あんた何考えてんのよ!?」


四つんばいで二見に近付いた留美子は、その変わり果てた姿を見て、まだ横になっている袴田に向かって叫んだ。


その声で目を覚ましたのか、ゆっくりと上体を起こして、冷めた視線をこちらに向ける。


「光を向けんじゃねぇよ……結子は俺を裏切って、カラダを棺桶に入れたから殺した。それ以上の理由があるか?テメェらもつまんねぇ演技なんかしてんじゃねぇよ!カラダを探してんだろ?あぁ?」


なんて勝手な言い分なんだろう。


それに、やっぱり二見がカラダを納めてくれていたんだ。


「あんた!自分の彼女を何だと思ってんのよ!」


「あ?決まってんだろ?気軽にヤれる女じゃねぇか。それ以外に理由があんのか?」


その言葉に、そこにいる誰もが怒りを覚えただろう。


でも……一番怒っていたのは、私でも留美子でもなかった。


「武司……それ、本気で言ってんのか?だったら殺すぞコラァ!!」