「まあ、それは置いておくとして、仮にカラダを全部そろえたとしよう。でも、どうやって袴田を棺桶に入れる?それに、入ったとしても、袴田にまた『カラダ探し』をさせられるかもしれない」


昼間に言っていた事だけど、まだ翔太は考えていたのだろうか?


「翔太、あんたバカでしょ?棺桶に入った奴は、『カラダ探し』にかけた日数と同じだけ経ってから目覚めるんでしょ?だったら!私達が卒業するまでの日数をかければいいだけじゃん。そうすれば、武司が目覚めた時には私達は卒業してるってわけ」


フフンと、得意気に翔太を見る留美子に、伊勢がすかさず突っ込む。


「留美子、俺達は2年だぞ?卒業するまでまだ一年以上あるのに、あと何百回も死にてぇのかよ?俺は嫌だぜ」


卒業までを考えると……450回以上死ななければならない。


留美子の提案には、誰も賛成しなかった。


「問題は、校舎の中だね。殺傷能力の高い、武器になるような物は多い。調理室の中にある準備室や、一部の職員室には包丁やナイフもあるしね」


「そういや、工業棟にもヤバそうな道具があったな……ルールがない分、人間の方が、『赤い人』よりやっかいだぜ」