「うわぁ……何このでかい家。なんかムカつく」


玄関先で家を見上げて、失礼な事を言い出す留美子。


「お前、前回も同じような事を言ってたよな?」


「だから、前回の事なんて知らないっての!」


伊勢と留美子のかけ合いは、もはや定番と言っても良い。


玄関を開けて、私達を家に招き入れてくれる先生は留美子の言葉に苦笑い。

「えっと、伊勢君は来た事があるんだね?だったら、先に僕の部屋に行っててくれないか?隣の部屋は開けちゃいけないよ」


「おぅ、分かったぜ。お前ら付いてこい」


まるで自分の家のように、一直線に階段へと向かう伊勢。


それに続いて家に上がった私達は、きれいな玄関を通り、階段を上がった。


「高広が先生の家を知ってるって事は、本当に俺達は以前に『カラダ探し』をさせられていたんだな……」


フウッとため息を吐き、改めて自分が置かれている状況を認識したような言い方の翔太。


二階に到着し、廊下の一番奥の部屋に入った伊勢は、部屋の照明を点けた。


掃除の行き届いた部屋……いろんな物が整理整頓されていて、インテリアのセンスも良い。


そんな部屋を見た、留美子の次の言葉は、容易に想像できた。