昼休みが終わり、放課後まで誰もアクションを起こさなかった。


話し合いもないまま、前回も「カラダ探し」をやったのかな?


それを頼んだ明日香は、放課後になったとたんどこかに行ってしまった。


「カラダ探し」を頼まれたからだろうか、伊勢も明日香を探す事をやめて帰宅しようとしている。


私も帰ろう。


昨日みたいに、「赤い人」を見ても嫌だし。


本当なら学校にも来たくはないんだけど、家にいるよりは何倍もマシだから。


でも、「カラダ探し」なんていつやるんだろう?


私は夕食までに家に帰らないと食事を出してもらえないし、3時間くらいしか残れない。


それなのに皆、帰ろうとしている。


教室を出て、階段を下りている間に携帯電話を開いた私は、伊勢に送信する為のメールを作成していた。


『伊勢君、「カラダ探し」は、いつするのですか? 教えてください』


伊勢に送るのも2回目。


だから今回は、送信ボタンを押すのに緊張なんてしない。


「送信……と。返信、くれるかな?」


パタンと、携帯電話を閉じて、階段を下りていると……。


例の激しい音楽が教室の方から聞こえて、なぜか驚いてしまった私は逃げるようにして玄関へと走った。