「赤い人」が人を殺す時、ターゲットに追いつくと、しがみ付いて上半身と下半身を切断する。


「赤い人」を見てから振り返った人は、辺り一面に臓物をまき散らしたり、頭を潰したりして殺す……。


これだと「赤い人」は、死体を動かないようにしていると思えてならない。


単純に、服を赤くするためだけにそうしているのか、それとも美紀の邪魔をしているのか……。


いずれにしても「赤い人」が味方になるわけじゃないから、考えても仕方がないのだけれど。











6限目の終わりを告げるチャイムが鳴り、私達は荷物を取りに教室に戻っていた。


すでにいくつかの机は教室の後ろに寄せられて、掃除の準備が始まっている。


今週の掃除当番は、鳴戸理恵と三神遥、他に3人いるはずだけど……。


帰ってしまったのか、ふたりだけで机を運んでいた。


「あ、高広。悪いんだけど、今日も手伝ってくれないかな?私と遥以外帰っちゃってさ……」


「あー……まだ時間もあるしな。皆でやれば、すぐ終わるだろ」


鳴戸が頼んだのは伊勢なのに……私達も掃除を手伝う事になるなんて。