「邪魔するぜ、先生」


「昨日」と同じように、無礼な態度で職員室のドアを開ける伊勢。


「ん？キミ達は農業科の生徒じゃないね？授業はもう始まってるよ？」


別段驚いた様子もなく、ギョロッとした目で私達を見る八代先生。


「それどころじゃねぇんだ。先生が『カラダ探し』をさせられた時、日中にも殺された事があるって聞いたけどよ。その時の事を教えてほしいんだよ」


そう話しながら、伊勢が八代先生に詰め寄り、椅子に座ったままの先生を見下ろす。


「い、いきなりだな……僕にその話をきこうとするという事は……キミ達も『カラダ探し』をさせられているんだね？それも、かなり危険な状況に置かれている。違うかい？」


話には聞いていたけれど、少し話しただけでそれを言い当てる八代先生。


その理解力と判断力を、私はすごいと思う事しかできなかった。


袴田が「昨日」翔太を殺した事、殺された者が夜の学校で動き回り、それに見つかってしまうと「赤い人」を背後に呼ばれてしまう事を話して、八代先生の答えを待つ。