結局、朝に送ったメールの返事があったのは、四限目が終わった後。


それも、メールじゃなくて、伊勢から直接返事があった。


「大丈夫だ、すまねぇな」


と、言っていたけど、自分の彼女が「赤い人」に殺されて「カラダ探し」を頼みに来たのだから、大丈夫なはずがない。


絶対に無理をしている。


そうでないとすれば、「赤い人」と「カラダ探し」の事を知っているから、自分が今から何をすればいいのかを分かっているのだろう。


「皆、おかしかったよね……伊勢君が明日香にあんな事をしても、ふたりしか驚いてなかったよ」


生徒玄関の前のホールでパンを食べながら、長椅子に対面に座る伊勢と話をしていた。


こうやって、誰かと話をしながら食事をとるのも楽しい。


「相島、その驚いていたやつって誰だ?」


私、何か変な事を言ったかな……にらみ付けるような視線を向ける伊勢に、萎縮してしまう。


「え、えっと……柊さんと、浦西君……」


私のその言葉に、顔をゆがめてため息を吐く。


「マジかよ……またあいつらも一緒なのか」


また? そう言えば、伊勢は昨日「カラダ探し」をやった事があると言っていた。


その中に、あのふたりもいたって事?


でも、明日香に対する伊勢と皆の態度の違いが、私には分からなかった。