授業をサボる事に、抵抗も感じなくなっている。


同じ日が繰り返されているから、いつ受けても同じだという思いが強かったのかもしれない。


教室から出て、屋上に着いた私達。


伊勢はまだここにいるのかなと、校舎の壁から顔を出して確認すると……例の場所で、柵にもたれて明日香を待っている様子。


「美雪、どうせこの時間に明日香は来ないんだから、行けばいいじゃん」


そう言い、私の横を通って伊勢の方に向かう留美子。


「え?ああ、そういうものなの?」


どうも、距離感というか、その場の空気というか、それを読むのは苦手だ。


人に合わせるのが精一杯。


留美子に続いて私も伊勢の方に歩き始めると、その後ろから翔太も付いてくる。


「高広、さっき結子が来たよ。どうせ武司が私達の邪魔をさせる為によこしたんだよ!」


そう言った留美子の声に驚き、慌てて振り返る伊勢。


「なんだよ、お前らかよ……二見?あの武司がそんな面倒くせぇ事するか?あいつは、自分以外は信じねぇ野郎だぞ?」


「じゃあ、結子は何しに来たっての?本当に謝りに来たわけ?謝るくらいなら、あんな事すんなっつーの」