「ほ、ほら、ひとりでいると危ないだろ? いつ袴田に殺されるかも分からないしさ」


こんな朝早くには来ないと思うけど……心配してくれるのはうれしい。


「そうだね。夜に何があったかも話さないといけないし」


翔太はいつもと変わらない。


少しずつ変化があるとすれば、友達とこうして一緒に登校している、私なのかもしれない。


でも、不安な事はある。


カラダの最後のひとつを棺桶に納めた後、今度は誰が棺桶に入るのか……袴田が素直に入るはずがないから。


昨夜あった事を話しながら、私達は学校に向かった。


翔太に見つかり、「赤い人」を呼ばれた事を話すと、ずっと謝っていたけれど、翔太がやったわけじゃないから気にしていないのに。








学校に到着して、翔太と一緒に教室で留美子と伊勢を待っている間にも、「昨日」とは少し変化しているところを探してみるけれど……元々他人に興味がなかった私には、あまり変化を実感できない。


そんな事をしていると、教室の後ろの入り口から、留美子と伊勢が教室に入って来た。