「相島さんが必死になる理由は何なのぉ? こんなに怖いならぁ……高広にでも、浦西君にでも任せておけばいいのにぃ」


二見は、人を頼る事しか考えないのだろうか。


一人より二人、二人より三人の方が、早く「カラダ探し」が終わるのに。


「明日香は私の友達だから……助けてあげたいじゃん。もしもさ、二見さんが『カラダ探し』を頼む側になったら、袴田君は助けてくれると思う?」


別にきかなくてもいい事だけど、恐怖を和らげるには、話をするのが一番良い。


話さないと、いろいろと悪い事を考えてしまうから。


「うー……たぶん、助けてくれないかなぁ。私を突き飛ばすくらいだしぃ」


それが分かってるなら話は早い。


この様子なら、二見を袴田から離す事ができるかもしれない。


「そろそろいいかな?二見さん、物音を立てちゃダメだよ」


「うん、ありがとうねぇ。相島さん」


そんな言葉のやり取りをして、音を立てないようにドアを押す私。


意外と素直な二見に、私は少し安心した。


もっとひねくれた性格をしていたと思っていたから。


たぶん、袴田の印象が強くて、二見まで嫌な奴に見えていたのかな?