翔太が殺されたからか、いつも以上にやる気を出しているように見える。


まだカラダは6つも残っているし、それに、「赤い人」と袴田がいるという事を考えると、早く次に行きたいという留美子の気持ちは分かるけど……。


こういう時こそ、慎重に行動しないと。


「次に行くのはいいけど、慎重にね。さっき、二見さんが、袴田と一緒にいなかったから……もしかすると、邪魔するかもしれないよ」


「そうなの?でも、結子だったら大丈夫だよ。あいつ、武司がいないと何もできないじゃん。私よりバカだしさ」


留美子よりバカかどうかは良いとして……それでも気を付けなければならないはず。


「留美子がそう言うなら良いんだけど……じゃあ、行こうか」


それでも、せっかくできた友達を失いたくないから、私は留美子に合わせるしかなかった。


廊下の音に耳を澄まして、「赤い人」の歌も、足音も聞こえない事を確認して倉庫を出る。


まあ、西棟の二階にいるのなら、誰かが追いかけられて、ここまで来ない限りは大丈夫だろう。


「ねぇ、美雪。ここって何の教室か知ってる?」