「そんなものは、弱く、頭の悪い人間同士が傷をなめ合っているだけだ!!友達ほど、いざという時に助けてくれないものはない!!いい加減に目を覚ませ!」


そう言いながら立ち上がり、私に歩み寄ると、お父さんは右手を振り上げて、その手で私の頬をひっぱたいた。


パンッという音が静かな部屋に響き渡り、私は手をテーブルに突く。


そんな事が目の前で起こっているのに、何事もないように食事を続けるお母さんと真冬に……私は嫌悪感を覚えた。


「私の事を何も知らないくせに、毎晩殺されてる事も知らないくせに! 偉そうに言わないでよ!!」


テーブルに突いた手を、そのまま横に払い、上に置かれていた食器をお父さんにぶつけて、部屋を飛び出した。


「美雪!!待ちなさい!」


お父さんが怒鳴っているけど、そんな事はもう知らない。


部屋着のまま家を出て、私はどこに行くというわけでもなく、ただ走った。


どうして、高校が違うだけで私と真冬に対する態度が違うの?


友達も選ばなきゃならないなんて、意味が分からない。