だけど、伊勢や留美子、翔太と一緒にいる事が楽しくて夕食の時間になり、私は食卓についていた。


夜の「カラダ探し」のためとはいえ、私にとっては、この冷え切った食卓の雰囲気は辛い。


料理を口に運びながら、お母さんと真冬が楽しそうにふたりで話をして、私はお父さんの言葉に答えるだけ。


今日もまた、同じ質問が繰り返される。


「昨日」だろうと明日だろうと、まったく変わらない言葉。


「美雪、勉強はしているのか?」


どうして私だけにその質問をするのだろう。


真冬には一度もした事がないのに。


「うん、してるよ。それよりね、私……友達ができたの」


そんな事を言う必要なんてないかもしれない。


……もっと早くにこんな関係を築けていれば、私の人生は、もっと楽しかったのかもしれない。


だけど、私が少し勇気を出しただけで友達ができたのだから、お父さんに対しても勇気を出してみようと思った。


「友達? その友達は、美雪より賢いんだろうな?」


茶碗と箸をテーブルに置き、私をジッとみるお父さん。


「ひとりは……賢いかな?ほら、浦西翔太って、近くに家があるでしょ?」