「まあ、つまりは、11月21日がもう『カラダ探し』なわけね。夜だけかと思ってたけど」


たいして難しくもない話を理解させるのに、これほど疲れるとは思わなかった。


「しかし、カラダを探す他にも考えなければならない事があるな……まだまだ先の事だろうけど」


「あー、最後の棺桶に誰が入るかって話? あんなの、武司でも入れとけばいいんだって。考える必要なんてないじゃん」


留美子なら、そう言うと思ったけど、それでいいのかな?


「カラダ探し」を頼む人は、本人が選ぶらしいと八代先生のメモには書かれていた。


つまり、袴田を棺桶に押し込んだとしても、次に私達に悪意を持って頼みに来る事も考えられるのだ。


それに……明日香がこのメンバーを選んだなら、どうして袴田と二見なんかを選んだのか。


何か理由があるのかは分からない。


もしかすると、明日香なりの考えがあったのかもしれないけど……。


完全なミスチョイスだと思う。


「右胸が三階の生徒会室で、腰が二階の実験室にあったんでしょ? だったらさ、生産棟の一階にもあるんじゃない?」


生徒玄関で靴を履き替えながら、留美子の言葉に考え込む翔太。