カラダ探し~第ニ夜~

伊勢の質問に、メモ帳に書かれている事を話し始める八代先生。


明日香に関する記憶はない。


だけど、そのメモ書きが、モリサキアスカという人物から、情報を聞き出したという事を証明している。


「カラダ探し」の結末……それを八代先生の口から聞いた時、私は明日香の孤独を、少しだけ理解できたような気がした。


伊勢の話と八代先生の話、このふたりの話で、「カラダ探し」の事が徐々に明らかになっていった。


中でも衝撃だった話はふたつ。


「赤い人」、小野山美子が、50年以上も前に起こったバラバラ殺人事件の被害者であり、その真犯人は、クラスメイトの杉本健司の祖父である事。


もうひとつは、「カラダ探し」で、最後のカラダを納めた後、誰かが代わりに棺桶の中に入らなければならないという事だった。


棺桶の中に入ったら、すべての者の記憶から、その者の存在が抹消される。


しかし、最後のカラダを納めた時に生きていた者は、記憶を消されない。


伊勢と、留美子、翔太の違いはそこにあるのだ。