「まあ、武司は高広に任せるとしてさ、八代先生ってのにはいつ会いに行くのよ?」


昔、「カラダ探し」を終わらせた事があるという八代先生。


いったい何を教えてくれるのか……それは気になるところだ。


八代先生は、旧校舎の農業科職員室にいる。


先生というだけあって、いつも暇なわけじゃない。


どのタイミングで会いに行けばいいのか分からないけれど、私達はとりあえず旧校舎に向かって、先生と話ができる時を待つ事にした。


「今はダメみたいだな……他にも先生がいるから、ひとりになるタイミングを狙わねぇと」


職員室の前から戻って来た伊勢と共に、旧校舎の階段を上り、踊り場で時間を潰す事にした。


この中では一番、話をする役に向いていないと思うけれど、先生の顔を知っているのも、「カラダ探し」に一番詳しいのも伊勢なのだ。


少し不安だけど、顔も知らない私達が行くよりはマシだから。


「もしかして、先生がひとりになるまで、ずっとここで待ってるつもり?なんかほこりっぽいんだけど」