そして……振り返った私の目の前に、笑顔で立っている明日香の姿があったのだ。










「ごめんね……皆、私のカラダを探して」












そう言い、一筋の涙が頬を伝い床に落ちた。


「明日香……私、頑張るからね。カラダを全部、見つけるから」


私の言葉にも笑顔のままで、私達の前を通って、伊勢の方へと歩いて行く明日香。


なんだか、私達はふたりの大切な思い出をのぞこうとしているじゃないかという気がして……。


でも、その光景から目をそらす事ができなかった。


屋上の南側で、「カラダ探し」を頼んだであろう明日香を、伊勢はそっと引き寄せて優しく抱き締める。


どうしてこんな気持ちになるのか分からないけれど、なんだか悲しくて、胸に痛みが走った事だけは覚えていた。


「なんだかさ……私、高広を見直したよ。どこかのヤりたいだけのバカと違って、明日香の事が本当に好きなんだってさ……まあ、美雪はフラれちゃったけどね」


「フ、フラれたも何もないよ……伊勢君は友達だし、明日香も私の大切な友達だから……」