つまり「赤い人」は、私がそこにいたという事を知っているのだ。
そして、それは少女が「赤い人」ではないという事を意味していた。
「どうしてどうしてあかくなる~」
ドンッ! と、勢い良く開けられたドアの音で、視聴覚室の中に入って行ったのだと推測できる。
問題はこの後……私はここからどう動くべきか、まだ悩んでいた。
「赤い人」に見つからない可能性に賭けて二階へと向かうか、それともこの部屋を調べておくべきか……。
こうしている間にも、「赤い人」は視聴覚室の中を動き回っているに違いない。
それに、さっきの少女がまた見ていたら……私の所に「赤い人」を呼ばれるかもしれないから。
こうして悩んでいる間にも、時間はどんどん過ぎていく。
生徒会室……勢いで逃げ込んだ初めて入る部屋だけど、携帯電話の明かりで照らしてみると、思ったより物は少ない事が分かる。
私達の教室と比べると、机の数が少ないだけで、同じような部屋。
その物の少なさが私に、この部屋を調べさせようという気を起こさせた。
音を立てずに、慎重に調べても、この部屋なら5分もかからず調べる事ができるだろう。
まずは生徒会長の机。