すると、機材が置かれている部屋のドアの隙間から、赤い服の少女がジッとこちらを見ていたのだ。


私がその少女に視線を向けると、少女は部屋の中に姿を隠した。


あの顔と赤い服……今のは「赤い人」じゃないの!?


でも……顔や手は赤く染まってなかったし、何よりここに現れたという校内放送が流れなかった。


それに、「赤い人」だったら、私に襲いかかってこない理由が分からない。


「赤い人」にしろ、そうでないにしろ、誰だか分からない少女が「カラダ探し」をしているこの校舎にいるのだ。


ただの少女のはずがない!


「だ……誰!?」


恐怖が過ぎて、身体が自分の物じゃないみたいにフワフワとする感覚のなか、震える手で、中途半端に開けられたドアを開いてその中を確認する。


けれど、そこに少女の姿はもうなく……最初に見た、機材が置かれているだけ。


どこにも隠れるような場所なんてないのに……。


訳が分からない。


伊勢からは、「赤い人」の事はあまり詳しくは聞かなかったから、あれが誰なのかが分からないけれど、なんだか嫌な予感がする。


「赤い人」と同じ顔の少女が、いったい何者なのか。


しかし、その答えはすぐに出た。