えっ!?ここまでするなんて聞いてないけど。


「テメェは偉そうなんだよ!いつもいつも俺をバカにしやがって!!」


「あーあ、何やってんだか……こんなバカ達と一緒になんて、やってらんないわ」


伊勢に留美子に翔太……私の聞いてない事が目の前で起こって、どうすればいいか分からずに、私は伊勢の怒った顔を見ていた。


伊勢は、翔太に怪我を負わせた後、感情のままに袴田を殴り付けた。


それを呆れた様子で見る留美子。


突然彼氏が殴られて驚いている二見。


こめかみから出た血を、制服の袖で拭う翔太。


伊勢と殴り合う袴田。


そして、何が起こったのか、さっぱり分からない私。


そんな状況の中で、生徒玄関のドアがゆっくりと開かれて行く。


「テメェはどうせ今日も、保健室にいるつもりだろうが!これで心置きなくベッドで眠れるだろ!」


最後に一撃、袴田に蹴りを入れた伊勢は、そう吐き捨てると、怒ったように生徒玄関へと向かって歩いて行った。


「あー、もうバカばっかり。私は死ぬまで適当に時間潰すわ」


私達を次々と指差し、ため息を吐いて歩き出す留美子。


「翔太、大丈夫?」