校舎に入ったら適当に散らばって、最初の校内放送が流れるまでに、生産棟の二階にある家政学室に集まる。


この時、怪しまれないように、決してやる気を見せてはならない。


カラダを探すという簡単な事なのに、どうして袴田の事を気にしなければならないのか。


袴田も二見も、私達に協力してくれれば良いのに……。


なんて、昨夜あんな事をされたのに、期待しても仕方ないよね。


ベッドの上で布団をかぶり、殴られた頭をさすりながら、そんな事を考えていた。


目には目を……じゃないけれど、もしも「赤い人」に追いかけられたら、保健室にいるはずのふたりの所まで逃げる。


きっと、ふたりは怒るだろうけど、「カラダ探し」が終わるなら、そんなのはささいな事だ。


どうか、上手く行きますように……そう祈りながら、私は目を閉じた。






















ピピピピピピピッ!


携帯電話のアラーム音で目を覚ました私は、その音を止め、ベッドに横になったまま、その時を待った。


上手く演技なんてできるかな……。


不安と、袴田への恐怖で体が震える。