だったら、私もそれを信じてカラダを探そう。


袴田が、どんな行動に出るかは分からないけれど、とにかくカラダを探さないと始まらないから。


ここにいる皆、そう考えていると思う。


明日香の家を後にした私達は、遊びに行くという雰囲気にならず、街のファストフード店で話をしていた。


その内容のほとんどが、明日香の話。


「でも不思議だよね、私達に明日香の記憶があるのに、お母さんにはないなんてさ」


オレンジジュースの中の氷を、ストローでかき混ぜながら、留美子が呟く。


「高広の話だと、『カラダ探し』をさせられている人間だけに、明日香の記憶があるんだよな?」


私の正面に座っている翔太が、こちらをチラチラと見ながら留美子の話をつなぐ。


私の顔に何か付いてるのかな?


思わず頬を指で触り、確認してしまう。


「まあ、詳しい話は八代先生にでも聞いてくれ。俺は難しい事は分からねぇ」


さっきラーメンを食べたばかりだというのに、ハンバーガーを手に、少し余裕ができたような様子で答える伊勢。