伊勢はともかくとして、翔太はお腹をさすって、苦しそうだ。


「で、どこに行く?やっぱり騒げる所がいいよねー」


「それも良いけどよ、その前に、ちょっと俺に付き合わねぇか?行きたい所があるんだよ」


伊勢が行きたい所?


携帯電話の着信音がメタル系だったから、そっち系の店にでも行くのかな?


まったく想像ができないけれど、どこに行くのかは気になる。


「どこに行くってのよ?あんたの事だから、どうせたいした所じゃないんでしょ?」


「なんか、似たような事を聞いた気がするな……まあいいけどよ。俺が行きたい所は……明日香の家だ」


あれから、伊勢に案内されるままに明日香の家に向かった私達。


家が近くにあるというらしく、母親同士が仲が良いから、たぶん家には上げてくれる……らしい。


「カラダ探し」を終わらせてから、一度も家に入った事がないから分からないと言っていたけど……。


その明日香の家の前で、伊勢が、おばさんと交渉している後ろ姿を見ていた。