翔太が覚えていてくれていた方が、もっと多くの情報が分かったのに。


「難しい話はもういいじゃん。それよりさ、これからどうする? 今から学校に行くのも面倒だよね」


まあ、話す事は話したし、それで皆に嫌われずに済んだ。


その事だけで、私は十分だった。


こんな、少し暗い雰囲気の中でも、留美子は場を明るくしてくれる。


遊びに行く提案ばかりだったけど、お小遣いなら、20日にもらったところだから、金銭的には余裕はある。


「皆で今までに入った事のないレストランでご飯食べて、カラオケ行って、『カラダ探し』の時間まで適当に時間を潰すのもいいよね」


財布の中身を確認しながら、楽しそうに想像を膨らませる留美子。


「留美子、お前らカラオケに行こうとして、バカにからまれてただろ。また絡まれるかもしれねぇぞ?」


伊勢が、フンッと鼻で笑いながら指差すけれど、留美子はその言葉に首を傾げた。


「いつの話よそれ……そんな事あったっけ?」


「あぁ……そうか、覚えてねぇんだったな」


また、前回の話だろうか?