「袴田は……明日香のカラダを処分するって言ってた……そうすれば、永遠に明日は来ないからって。私、留美子達が殺されてるのを見て、動けなくなって……」


「はぁ!? 処分ってなにそれ!! ちょっとふざけないでよね!!」


留美子が声を張り上げ、席を立つ。


「で?その時、お前はどうしたんだ?まさか、黙って見てたわけじゃねぇだろ?」


私をにらみ付けるように、低く強い口調で伊勢が尋ねる。


「わ、私は……袴田を行かせないように、脚にしがみ付いたんだけど、頭を殴られて……『赤い人』も現れたから……」


どうしようもない状況だったとはいえ、私の責任は重い。


本当に、はってでも行くべきだった。


「そうか、お前は守ろうとしたんだな。じゃあ、武司の野郎が悪いんじゃねぇか!」


「マジ最悪じゃん! あいつ、私の明日を奪うつもり!?」


皆……私の事を怒っているんじゃないの?


怒りは、袴田に向けられている。


こんな事を言うのは、どうかと思うけど……心から、嫌われなくて良かったと思った。


でも、状況が変わったわけじゃない。


夜になればまた、「カラダ探し」が始まってしまうのだから。