「伊勢は、私の家が分かるのかな……」


時間が経つにつれ、少しずつ不安が増していく。


怒られて、嫌われたとしても、「カラダ探し」を始める前の関係に戻るだけという思い。


せっかく友達になれたのだから、嫌われてひとりぼっちに戻りたくないという思い。


この二つの思いがグルグルと頭の中を回り、不安が募って行く。


携帯電話の画面をジッと見つめながら、私はその時を待っていた。


すると……画面に、メール受信中という文字。


伊勢が来たのだと理解して、ベッドから立ち上がり、受信したメールを開いた。


『着いたぞ』


そのメールの内容に、私は部屋を出て、玄関に向かった。


この状況になってしまったら、出なければ嫌われてしまうかもしれない。


本当の事を言ったら、伊勢は怒るだろう。


どっちにしても、私はもう伊勢に怒られる。


玄関のドアの取っ手をつかみ、これを押すべきかどうか。


往生際が悪いなと自分でも思いながら、ゆっくりとドアを開けた。


すると、私の目に最初に飛び込んで来たのは……留美子の顔。


「え？　る、留美子！?」