明日香は大丈夫だって言ってくれたけど、いったい何が大丈夫なのだろう。


皆は怒っていないという事なのか、それとも、カラダは無事だという事なのか、それは分からない。


どんな意味であろうと、あの言葉と温もりに救われた。


伊勢が来ると言うのなら、服も着替えないと……。


少しは落ち着いたとはいえ、まだ不安は消えない。


どんな答えが帰ってくるにしても、昨夜あった事を言おう。


それで怒られるなら、もうそれは仕方がない。


部屋を少し片付けながら、そんな事を考えていた。


服を着替え終わり、私はベッドの上で、伊勢が来るのを待っていた。


誰かが私を訪ねて来るなんて、初めてかもしれない。


なぜかさっき、明日香が部屋の中にいたけど……どこにいても、その時間が来たら「カラダ探し」を頼みに来るのだというくらいにしか思わなかった。


明日香の優しさを知っているから、突然部屋の中に現れても恐怖を感じない。


昨夜も思った事だけど、過去にも一度、あんな風に抱き締められた事があるような気がする。


その記憶は、なぜか頭の中から抜け落ちているのだけれど、体はそれを覚えているといった感じ。