「ひぐっ……皆、ごめんね……」






ベッドの上で、私は泣きながら目を覚ました。


携帯電話から聞こえるアラーム音を止める事もできずに、枕を抱きながら。


どうして私はあの時、腰を抜かしてしまったんだろう。


どうして動かなかったんだろう。


血の中を、はってでも私は自分で棺桶に納めるべきだった。


袴田の脚にしがみ付いて、途中からの記憶がない。


私は、明日香の腰を守れたのか、守れなかったのか……。


胸が苦しくて、悔しくて、私は溢れる感情を抑え切れずに、ひたすら泣いていた。


もしも、袴田が言っていたように、「処分」されていたら……もう、カラダはそろわないって事なの?


私のせいで皆の希望が消えてしまったのなら、せっかくできた友達が、皆離れていってしまうかもしれない。


そんなの……嫌だ!


泣きながらも、ベッドの下の携帯電話に手を伸ばし、アラームを止めると、私はメール作成画面を開いた。


『伊勢君、ごめん』


他にも書きたい事はたくさんある。


袴田にカラダを処分されたかもしれない。


袴田は、永遠に今日を繰り返すつもりでいる。


留美子が言ってた通りだった。