私が倒れている間にも、「赤い人」の歌が唄われている。


でも、まだ私は死んでいない……。


そうだ、メールにも書いてあった。


しがみつかれて、唄い終わると殺される。


逆を言えば、唄い終わるまでは殺されない。


翔太も言っていた、「何度もしがみ付かれた」って。





「髪の毛も足もまっかっか~」




こうしている間にも、歌は唄われる。


私は、重い身体をなんとか起こして、ホールへと向かった。


大きなぬいぐるみが、歩くにも邪魔になる。








「どうしてどうしてあかくする~どうしてどうしてあかくなる~」







背中でささやくように唄われる歌が、まるで呪いのように、私の頭の中に入って来る。


それでも、できる限り急いで、もうすぐホールに着くという所まで来た。







「お手てをちぎってあかくする~からだをちぎってあかくなる~あしをちぎってもあかくなる~」






そして、ホールに足を踏み入れ、棺桶に近寄り……私は遥のカラダの向きを確認する。