いつもの調子でそう言う留美子。


「ダメだ、外に出られなかった」


校門に向かっていた健司が私達の前に戻り、首を横に振りながら、そう呟いた。


「はぁ? 冗談はやめろっつーの! 俺は眠いんだよ! 帰るぞ!」


寝起きで不機嫌な高広が、校門に向かって歩き出し、留美子もそれに続いた。


私と理恵は、周囲を見回しながら、その場に立ち尽くす。


「ねぇ、明日香。これって私達『カラダ探し』をさせられるのかな?」


私の制服の袖をつかみ、震える理恵。


「そんなの、私だってわからないよ」


真っ暗な学校に、私達6人だけ。


それも、いつの間にかここにいたのだから。


私達が戸惑っていると……。




目の前の玄関のドアが、ゆっくりと開いたのだ。


まるで、私達を誘っているかのように。


「や、やだ。怖いよ明日香。私達も行こ」


ドアに恐怖した理恵に押され、私達は校門に向かって走り出した。




「何だよ! 何で出られないんだよ!」


私と理恵が校門に駆け寄ると、健司の言う通り、見えない壁に阻まれて外に出られなくなっているようで……高広が怒りながらその壁を蹴り飛ばした。