そして……ペタペタという足音が、ドアの前に差しかかった。







「髪の毛も足もまっかっか~どうしてどうしてあかくする~どうしてどうしてあかくなる~お手てをちぎってあかくする~」






「赤い人」の歌が……ドアの向こう側から聞こえる。


でも、どうして……どうしてドアの前から声が移動しないの!?


ここに私達がいる事がわかってるの!?


でも……それなら、「昨日」私は、三階の教室で見つかっていたはず。


だったら、偶然「赤い人」が入ろうとしたこの会議室に、私達が偶然入ってしまったと言うの!?


もしかして、今の私達の会話を聞かれたのかもしれない。


空気が重くて……息ができない。


私達の心臓の鼓動が、ドアを伝って外に聞こえるんじゃないかという程、激しく動いている。


私の身体中を刺すような空気の中、突然歌が聞こえなくなった。


どこか、他の所に移動したのだろうか?


でも、ペタペタという足音は聞こえなかった……。


きっとまだ、このドアの向こう側に「赤い人」がいる。


私は聞こえてこない足音に気づいているけど……留美子はどうだろう?