笑っているように見えたわけじゃない。
留美子は、本当に笑っていたのだ。
人が死んだかもしれないのに……。
「なんだ、あいつらが死んだのか!? こりゃいいや! 人に引き付けろって言っておいて……自分が死んでりゃ世話ないよな!」
留美子も、翔太も、どうしてこんな時に笑えるんだろう……。
自分の思い通りにならなかったから?
そんな事で、人の死を笑えるなんて。
「カラダ探し」では、死んでも死ねない。
それが当たり前になって、感覚が麻痺してしまっているのではないかと、ふたりを見て、私は思わずにはいられなかった。
「翔太! あんたがなんで笑ってんの? 早く行ってって言ったでしょ!?」
そして喧嘩。
「赤い人」も怖いけど、友達をこんなにも簡単に切り捨てられるふたりの方が、私は怖かった。
留美子にさんざん言われた後、翔太は笑いながら、西棟の方へと向かって歩いていった。
これで、結果はどうあれ、翔太への貸しは無くなったのだから。
「やっと行ったね、あいつ。西棟でうっかり振り返ってくれないかな? 死ねばいいのに、あんなやつ」
留美子は、本当に笑っていたのだ。
人が死んだかもしれないのに……。
「なんだ、あいつらが死んだのか!? こりゃいいや! 人に引き付けろって言っておいて……自分が死んでりゃ世話ないよな!」
留美子も、翔太も、どうしてこんな時に笑えるんだろう……。
自分の思い通りにならなかったから?
そんな事で、人の死を笑えるなんて。
「カラダ探し」では、死んでも死ねない。
それが当たり前になって、感覚が麻痺してしまっているのではないかと、ふたりを見て、私は思わずにはいられなかった。
「翔太! あんたがなんで笑ってんの? 早く行ってって言ったでしょ!?」
そして喧嘩。
「赤い人」も怖いけど、友達をこんなにも簡単に切り捨てられるふたりの方が、私は怖かった。
留美子にさんざん言われた後、翔太は笑いながら、西棟の方へと向かって歩いていった。
これで、結果はどうあれ、翔太への貸しは無くなったのだから。
「やっと行ったね、あいつ。西棟でうっかり振り返ってくれないかな? 死ねばいいのに、あんなやつ」