「な、なによこれ……」


一体何がどうなっているのか、頭がそれを理解するのに、しばらく時間がかかった。


私は、学校の玄関の前で寝転んでいたのだ。


慌てて体を起こすと、着ていたはずのパジャマが制服になっている。


嘘でしょ? 家にいたはずなのに。


そう思ったのは、どうやら私だけじゃなかったようだ。


辺りを見回すとそこには……理恵、高広、翔太、留美子、健司の姿があった。


制服姿で、わけがわからないといった様子で。


「おい、起きろ高広!」


大の字で、イビキをかいている高広の横腹を蹴るのは翔太。


何度か蹴って、ようやく目を覚ました高広。


「……んだよ、って、なんだこりゃ?」


ようやく異変に気づいたようで、キョロキョロと辺りを見回す。


それから、皆は自分の身に何が起こったのかを確かめるように昼とは違った雰囲気の学校で、とまどいながらそれぞれ動き始めた。


「ねぇ、これってさ……やっぱり学校だよね?」


私の言葉に、花壇のブロックに腰かけていた留美子が溜め息をついた。


「どうみてもそうじゃん。なんでこんな時間に、皆がここにいるのかわからないけどさ……帰ろ?」