なんて、私が思ってるだけで、理恵の本心なんてわからない。


もしかしたら、男子がふたりいる方が心強いと思ったという可能性もある。


「まあ……翔太は自業自得じゃない? また『昨日』に戻ったら、喧嘩は終わり。でしょ?」


留美子が言うように、本当にそうなればいいけれど……。


机、棚、長椅子の下、ロッカー……部屋中、どこを探してもカラダの一部はなく、ふたりで溜め息をついた。


「ここじゃないみたいだね。すぐそこの校長室に右腕があったから、やっぱりこっちの棟にはないのかな?」


「高広に、どの部屋を調べたか、きいておけばよかったね。ちなみに留美子は、どの教室を……」


と、そこまで言い、留美子の顔を見た時……。








『「赤い人」が、生産棟一階に現れました。皆さん気を付けてください』








「ちょっと……生産棟一階って……あいつらがいるんじゃないの!? 翔太はどうしたのよ!?」


留美子はそう言うけど……理由はわかっているはず。


翔太は、きっと死んだのだ。


「翔太は……たぶん、死んだんじゃないかな」


そう、口に出すのも嫌な言葉。


「カラダ探し」では、死んでも死なない。